ねむの木村を訪ねる。
女優の宮城まり子さんが肢体不自由児の為に運営する療護施設である。
TVで新しい子供美術館が建てられたとのことで一度行きたいと思っていた。
ささやかな施設を想像していたが本当にびっくりした。
立派な建物、静謐な環境、吉行淳之介文学館の見事さ、そして美術館に展示された心を打つ絵の数々。まさに立ち尽くしてしまったという感じである。
宮城さんが中心となり約30年近い歳月をかけて築いた村であるが、暮す人達にとってはひとつの理想郷ありでかけがえのない自分達だけの空間である。
これだけのものを作り上げた宮城さんの志の崇高さとその日々の努力に深い尊敬の念を抱かずにはいられない。
口で言うのは簡単なことであるが、理想を具現化したひとつの世界を目の当たりにして深い静かな感動が湧き起こってくるのを禁じえなかった晩秋の一日である。
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