アメディオ・モジリア-ニは無条件に好きな画家だ。とても分かりやすい。
どことなく沈んだタッチも、自分の寂しい性分にもマッチしているように思う。
ともかく観ていて心が落ち着く。
人物を多く描いているが醒めた表情やうつろな表情が多く人生を肯定的に捉えた作品はあまり観た記憶がない。
彼も死後に評価の高まった不運な画家だが、常に何かしら重いものを抱えながら創作を続けていた一端が垣間見られ自分自身としては共感を誘われる。
六本木の国立新美術館で展覧会が開催されているが期待以上のラインアップであった。
画集でしか見たことのない代表作の数々を前に静かで強い感動が押し寄せてくる。
力ある作品は時代を超えて語りかける何かを有することを思い知らされる。
彼はなかなかハンサムな男である。若くして世を去り、その後彼の恋人も後を追うように
二日後自死してしまった。死後、彼を想う世界中の人達から、絶え間なく墓碑の上に花のたむけられていることを知ることもなく眠り続ける画家に世の不条理さ、人の運不運を思わずにいられない。
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