遠すぎた橋(1977年)

 この作品は、第二次世界大戦末期の連合軍による「マーケットガーデン作戦」を描いた、制作当時のスター級俳優を豪華に配した戦争大作です。

作戦全体を客観的に描いているので、個々の兵士達の視点を描いた『プライベート・ライアン』(1988年)等とは趣が違います。

落下傘部隊が敵中深く降下(マーケット作戦)し5つの橋を占領後、機甲師団が一気にベルリンに侵攻する(ガーデン作戦)作戦は、発案当初からソサポフスキー准将(ジーン・ハックマン)が難色を示す無謀なものでした。しかし、パットンへのライバル心を持つモントゴメリーにより作戦は実施されます。

そして、ソサポフスキー准将が予想したように多くの犠牲を出した上で、この作戦は失敗します。

激戦地から多くの部下を失い帰還したアーカート少将(ショーン・コネリー)の憤慨した眼差しに対して、上官のブラウニング中将(ダーク・ボガード)が『ただ橋が遠すぎただけだ』と冷酷に言い放つシーンが印象的です。

この場面をみて思うのは、トップに立つ人間は失敗しても、決して落ち込まないし後悔もしないのだろうと…

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誰よりも狙われた男(2014年)

この作品は、『裏切りのサーカス』の作者でもあるジョン・ル・カレによる同名小説の映画化です。

ドイツのハンブルクに現れた密入国者をめぐり、女性弁護士アナベル(レイチェル・マクアダムス)、銀行家ブルー(ウィレム・デファー)、そして諜報機関のチームリーダーであるバッハマン(フィリップ・シーモア・ホフマン)、諜報機関同士の主導権争いやアメリカCIAの介入など各々の思惑が絡み合って思わぬ展開へ

このスパイ映画は、派手なアクションや殺人のシーンは疎か、拳銃や刃物の類いも一切登場しません。それが、反ってリアリティを演出しています。

”世界をより安全な場所にするために”…彼ら諜報員は身を粉に働いているはずなのに、その方法論は組織や立場によって、大分異なるようです。

冷静沈着に行動してきたバッハマンが、努力の結実する間際で成功の果実を横取りされた瞬間に見せる悪態と、そんな彼を見つめる同じチーム内の女性諜報員の視線が印象に残ります。

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 尚、この作品は、急逝したフィリップ・シーモア・ホフマン最後の主演作です。

 

 

ミラーズ・クロッシング(1991年)

この作品に出会ったきっかけは、禁酒法時代が舞台のアニメ「91days」(2016年)でした。

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アニメの世界観が気に入り、久しぶりに良質なギャング映画を鑑賞したくなり、見つけたのがこの作品です。

と云うことで、ボクがこの作品に出会ったのは、公開されて25年以上経った後でした。

禁酒法時代のアメリカ東部の街、アイリッシュ系のレオ(アルバート・フィニー)とイタリアンのキャスパー(ジョン・ポリト)、二つの勢力が暗黒街でシノギを削っています。そして、レオと片腕のトム(ガブリエル・バーン)は厚い友情で結ばれていました。しかし、トムがレオの愛人ヴァーナと一夜を過ごしたことをきっかけに、トムはレオと袂を分かつことになって…

オープニングで風に飛ばされて森を彷徨うボリサリーノが主人公トムの生き様を暗示しているようです。

トムはインテリでクールなのですが、多分に見かけ倒しで、ヴァーナに殴られ派手に倒れるほどの体たらくです。賭博に負け続けて借金だらけ、余計な情けを人に掛けて苦境に立つダメ男です。しかし、彼の場当たり的な行動が結果的に旧友レオを救うことになります。

ギャング映画にシニカルなコーエン兄弟流の演出がスパイスになっています。

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因みに、この作品は興行的には大失敗だったそうです。しかし、今では「ギャング映画の佳作」とされていることから、興業成績と評価は必ずしも一致しないようです。